平成27年度第3学期終業式 校長式辞

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 毎年、卒業生がクラスごとに卒業(卒業生)文集を作成し、学年主任の先生が全クラス分をまとめて校長室にも届けてくれます。今年も、過日届けてくれました。
 順番に全員の分を読ませてもらっていますが、今年の卒業生の分は、漸く半分まで読み進みました。内容的には、年によりまたクラスにより多少傾向の違いがありますが、全体的に学校行事や部活動への取り組みに関するものが多く、高校生活の中での学校行事や部活動の重みがよくわかります。一方、毎日6時間取り組んでいる授業についての言及が少ないのは残念でした。できれば授業についての記述がもう少しあればと来年度以降を期待しています。
 過去の文集の内容の一部を紹介しますと次のようなものがありました。自分なりの高校進学の目的を持たず、言われるがままに漫然と学校を選び本校へ入学してきた生徒が、入学時に「島田樟誠高校で頑張ること」について書いた作文がきっかけとなり部活で頑張り、勉強に目覚め漢字テストでも表彰を受け、学校も休まず3年間皆勤し目指す大学へ進学していった話もありました。本人は「自分の中で革命がおこったようだと」と結んでいました。また、保護者の強い反対を押し切って本校に進学し、高い目標を立て一生懸命勉強し進路目標を達成して卒業していった生徒もいました。さらに、中学校時代は事情があって学校に足が向かわず本人も苦しんでいた生徒が、本校入学後、部活と勉強を両立させ学校もほとんど休まず、母校の中学校の先生方が信じきれないような素晴らしい進路を実現した例もありました。このような頑張った話ばかりでもありません。外見上は、元気なそぶりで生活をしながらも心の中ではストレスをため、鬱々と日々を過ごしていた人もいたようです。第一希望の公立高校を不合格となり不本意ながら本校に入学してきた生徒諸君の中には、入学後、気持ちを切り替え頑張れた生徒もいれば、そのまま3年間気持ちの切り替えができず卒業していった生徒諸君もいました。入学して数日で本校の教育に失望しそのまま頑張ることもなく卒業していった人もいました。この人たちにとっての3年間は本当に夢のない苦行であったかと思います。
 読み進めていくと卒業生の数だけの多彩な高校生活が展開されていたことが分かります。全体としては卒業時に満足度の高かった生徒諸君が多くみられ、そのきっかけとなったことは様々でしたが、先生方からの御指導によるテストや検定・資格試験などのよい結果や日々の授業での分かったという経験、部活動でのできたという体験などの満足感や成功体験が大きいようでした。また、部活動で厳しい練習に耐えきれたということもありました。
 長々と卒業生の文集の話をしましたが、2年生は残り1年間、1年生はこれからの2年間をどのように生きるか、どれだけ真剣に学習、部活動や学校行事に取り組むのかが本校での3年間の満足度や充実感の高さを規定します。言葉を変えればどんな目標を持ってこれからの学校生活を送るかにかかっていると言えます。既に目標をしっかり掲げて頑張っている人はその目標に向かって、目標が見定まらない人は一刻も早く目標を決めその実現に向かって努力を重ねてください。年度の変わり目に際し、今後の目標を確認することを重ねてお伝えします。時の流れは一刻も待ってくれません。多感な掛け替えのない3年間、青春時代を無為に過ごす姿は見るに忍びないものです。
 私自身は、3年間で少しでも頑張れた人の文章は、どこにきっかけがあったのか、どのような教育活動や生徒同士の仲間関係がよかったのかを意識しながら読みました。逆に、3年間を不遇に過ごした人の文章に遭遇した時は、申し訳ない気持ちが込み上げてきました。少しでも気持ちの切り替えができるような機会を用意することのできなかったことに対する無力感です。600人を超す生徒諸君に対し60人近い教職員がいながら対処できなかったことについて、どうすればよいのか自省を強く求められています。
 私は、卒業文集が3年間の教育活動に対する生徒諸君一人一人からの学校評価としての側面も持つと受け止めています。この文集を学年主任からいただくときの心境は、嘗て自身が生徒の時に担任から通知表を手渡される時のような、大きな期待と同じくらいの不安の混在した気持ちと似通っています。これから読む残りのクラスの文集にどの様な課題が盛り込まれているか心してページを繰りたいと思っています。
          平成28年3月18日  校長 吉永清貴