平成28年度入学式 校長式辞

校長

 並木や河川の土手など身近な場所で桜が満開となり、里山の随所にみられる山桜は、春霞のような淡い色合いを雑木の若葉の間に溶け込ませています。
 このような春のよき日に、大勢の御来賓をお迎えし、209人の新入生と保護者の皆様と、本校創立90周年を迎える平成28年度の入学式を盛大に挙行できますことに、心からお祝いとお礼を申し上げます。新入生の皆さん、入学おめでとう。教職員を始め、皆さんの先輩達も晴れの入学を温かくお迎えします。
 本日まで皆さんの成長を願い育んでくれた保護者の方々は、高等学校での皆さんの充実感に満ちた3年間の生活を心から期待されていることと思います。
 そこで高校生活の門出に当たり、本校の教育目標と教育方針を踏まえた三つのことをお話しします。
 第一は、学校生活における目標を持つことです。目標を持ち意識して毎日を過ごすか、漫然と目標のない生活を送るかでは3年後の卒業時の姿は大きく変わると思います。目標があれば苦しいときでも頑張りがきき、目標が自らを律する心の支えとなります。
 卒業生の文集を読んでみますと、早い時期に何らかの目標を見定めて努力した生徒諸君は、高校3年間の学校生活や進路に対する充実感や満足度の高さがうかがわれました。
 学習についてみれば、各教科の授業への取り組み、英語検定などの各種の資格の取得への挑戦、家庭での学習等、量や到達度、難易度等を自分に合わせて具体的に目標を決めてください。学習以外の部活動や生徒会活動などにおいても、明確な目標を持つか否かで取り組む姿勢やその成果が大きく変わるでしょう。
 進路については、進学か就職かを問わず方針を決めなければなりません。学校でも進路の指導を計画的に進めますので、少しでも早い時期に就職か進学か方向を決め、目標とする大学、専門学校、会社等を絞り込んで自分なりに研究をし準備を始めてください。
 第二は、本年度の最重点課題である「学力の向上(高校教育の質の保証と向上)」です。学習に積極的に取り組み基礎学力を確実に身に着け、発展的な学習にも挑戦することです。生徒諸君にとって本校は本気で学ぶところであり、確かな学力を身に着け希望する進路を実現するための場でもあると認識することです。
 近年、文科省は、進学か就職かの進路を問わず、すべての生徒に対し高校教育の質の確保と向上を図り、生徒の学習改善に役立てるため、平成31年度を目途に「高等学校基礎学力テスト(仮称)」の導入を計画しています。また大学入学者選抜においては、現行の大学入試センター試験を廃止し、特に「思考力・判断力・表現力」を中心に評価する「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の導入を、平成32年度を目途に計画しています。二つの新テストのプレテストは、2年前倒しの平成29年度と平成30年度に実施することが話題となっています。実施方法の詳細が不明ですが、これが計画通り進めば、新入生諸君が来年度以降早速最初のプレテストに対応することになるかもしれません。
 また、就職を希望しても入社試験で一定程度の学力を求められる傾向が年々強くなっています。先輩たちの中で入社試験の筆記試験で苦戦をし厳しい結果となった人もいました。
 このような動向を踏まえ、本年度から「学力の向上」の実現のための具体的な方策として、全校での土曜授業の実施や数日後に行われる全学年での基礎力診断テストの導入をはじめ、日々の授業の改善に関わることや進路の指導の改善に関することをいくつか検討しています。生徒諸君も、勉強するぞという気持ちを強く持ってください。教職員だけが「何とか諸君の学力の向上を目指そう」と思って授業を工夫して取り組んでも、諸君にその気持ちがなければ成果は上がらないでしょう。学校における教育活動全般に謙虚な心で向き合うことができれば、諸君の学ぼうとする気持ちは自ずと強まり、諸君は学校から質の高い多様な教育内容と進路に関する情報を受けることができます。
 第三は、学校行事や部活動に真剣に取り組み思いやりの心を育て、社会性を身に着け広い視野で物を見る目を養い、卒業までの三年間で大人としての認識力や判断力、振る舞い方を身に着けることです。選挙権年齢が18歳に引き下げられたことも深い関係があります。
 平成26年6月の国民投票法の改正と平成27年6月の公職選挙法の改正で、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられました。今後は、民法や少年法をはじめとして多くの法令の年齢規定が見直されるでしょう。これまで20歳を迎えて付与された権利や責任が18歳を迎えたときに付与されることになりました。これらの権利や義務や責任を負えるだけの精神的な準備を3年間でしなければなりません。これを機会に大人になるとはどういうことかを真剣に考えていただきたい。大切なことは、自覚して精神的な成長を早める努力をすることです。
 教職員のみならず地域の人たちも諸君を大人に近い存在と考えています。時には「我慢すること」や「苦しくても諦めずに頑張る」「周りの人の気持ちを察する」ことも必要です。学校行事、部活動、生徒会活動などに積極的に取組み感性や心身を鍛え、高校3年間での感動や充実感を一層深めてください。諸君の心身ともに成長し大人になろうとする意欲的な活動には、できるだけの支援をします。
 209人の新入生諸君、教職員は諸君に対する深い愛情を基に、諸君をしっかり鍛え伸ばしていく所存です。諸君も私たちの篤い気持ちをしっかり受け止め、自らの資質を十分磨きだすことに力を注いでください。在学中は、幾多の試練に直面することもあるかもせれませんが、その都度心を強く持ち乗り越えてください。そして、一人も欠けることなく209人全員が、3年後に晴れて本校を卒業していけるよう、諸君の頑張る心意気に期待します。諸君の頑張りが本校をさらに活性化させると確信しています。
 教職員一同心を一つにして教育活動に専念する所存であり、本校で教育することに誇りを持ち、学校、生徒、地域に強い愛着を持ち、保護者の皆様や地域の期待に応えるべく全力を注ぎます。
 保護者の皆様におかれましても、学校の教育方針に深く御理解を賜り、学校が生徒の教育に専念できますよう、物心両面にわたっての御支援・御協力をお願い申し上げます。学校、保護者、地域の三者の厚い信頼関係が、お子様を育てる基となるものと信じております。
 最後に、御多忙のところ御臨席をいただき本日の入学式を盛り上げ、激励してくださいます御来賓の皆様、本当にありがとうございます。今後とも本校の発展のために御指導・御鞭撻をいただきますようお願い申し上げます。
 以上を持ちまして式辞といたします。

平成28年4月6日 校長 吉永清貴