平成28年度第2学期始業式 校長式辞

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 今日から第2学期が始まります。夏季休業中、登校日と三者面談以外ほとんど学校に来なかった生徒諸君も少しはいるかと思いますが、多くの生徒諸君は、夏季補講や夏季講座、進路等の個別指導、部活動などで学校に来る機会も多かったことと思います。特に3年生は、進学か就職かに関わらず密度の濃い期間であったでしょう。いずれにせよ、約40日近くあった夏季休業をどのように過ごしたかが生徒諸君一人一人の今日以降の学校生活に大きく影響します。
 例年第2学期は、樟風祭とマラソン大会があり、3年生の就職試験や進学希望者の推薦入試、2年生の修学旅行、1年生の系選択と水泳大会と大きな学校行事が続く中、本年度はさらに創立90周年記念式典も計画されています。例年以上に多彩で多忙な学期となりますので、授業と学校行事への取り組みの切り替えの円滑さも強く求められます。取り組む気持ちの持ちようが授業の集中度、学校行事の満足度を決めることになります。
 そこで、今日は、町工場と言えそうな小さな規模の会社でありながら、NASAから委託を受けているアメリカの会社と親密な関係を持つ植松電機の専務取締役植松努氏の言葉をいくつか紹介し、第2学期に臨む意識の持ちようの手掛かりをお示しします。
 植松努さんという方は、今年50歳、北海道芦別市(夕張、旭川、富良野の近く)出身で、地元の工業高校から北見工業大学工学部に進み、卒業後は、愛知県内の航空宇宙関連企業を経て、父親が経営する植松電機に入社しました。会社の業務内容は、リサイクルに使うパワーショベルに付けるマグネットの開発・製造で、ほぼ100%の市場占有率となっているようです。会社の従業員は、20人程度ですが、2004年から北海道大学大学院の永田晴紀教授と共にロケット開発を開始し、開発したロケットは日本の宇宙航空研究開発機構の実験にも使われ2006年には人工衛星も打ち上げ、世界に数か所しかない無重力実験施設も持っている会社です。この無重力実験施設はお金がかからない施設(世界に数か所ある同様の実験施設と比較すると、ここの施設の使用料が他の施設に比べて格段に安い)だということで世界中からいろいろな研究者が実験をしに来ておりNASAの人たちまで来るようになったようです。このロケット関係の業務は、株式会社カムイスペースワークスを設立し展開していますが、本来業務は、あくまでも植松電機で、ロケット開発は植松さんの夢の実現を目指すものと位置づけています。以下、『NASAより宇宙に近い町工場』という著書からいくつか植松さんの言葉を御紹介します。いずれかの言葉が心に残ってくれることを願っています。
 「好きなことの無い人は学ぶことができない。」 好きなことは人に言われなくても自分から一生懸命勉強しよう学ぼうという気持ちを強く起こさせる。好きなことの無い人は、指示されないと何にもできない人になってしまう。
 「「どうせ無理」をなくす。」。「どうせ無理」は、楽をするための魔法の言葉でもあります。真面目な顔をして「それはどうせ無理だわ」という評論をすれば、評論をした瞬間から何もしなくてよくなります。なにも考えなくてよくなります。そして、その評論の際には、バックグラウンドデータは一つもいりません。人生はものすごく楽になります。」
 「自信のない人は、このように評論して他人の自信を奪う」という連鎖が始まります。
 「楽をすると無能にしかならない。なぜなら楽をするということは、他人がする経験を避けて通ることだからです。能力というものは、経験しなければ身に付かないからです。経験しなければ能力はなくなります。」「楽をしてボーとしていてはいけません。苦労する中、努力する中に「面白い」と思うところを見つける、すなわち楽しむのです。「楽」と「楽しむ」、同じ漢字を書きますが、意味が全然違います。楽をしてはいけないんです。楽しむんです。」
 「もし今の自分がちょっと嫌だなと思うところがあって、変わりたいなあと思っているのであれば、人と出会えばいいんです。そして本を読めばいいんです。人と出会ったり本を読んだりしたら、昨日の自分と必ず違うからです。新しい知識が入った分、人生は変わるんです。」
 「あきらめなければ状態がほんの少し良くなります。状態がほんの少し良くなるまで、やめずにやり続けることが大切なことです。工夫をし続けるんです。あきらめるのはいつでもできるんです。いつでもできることはいつでもできるから、最後に回せばいいんです。」
 「誰かが信じてくれることを期待してはいけません。信じるというのは、自分自身の覚悟のはずです。誰かが信じてくれないと言って不満を言っても仕方がありません。自分で信じることです。」
 「「やったことがないからできない」は嘘だ。「やったことがないからできない」「知らないからできない」という言葉は、使ってはならないことです。やればできるようになり、知らないことは調べればよいだけです。」
 「努力というものは我慢ではありません。いやいやするものでもありません。憧れた結果、してしまうものです。憧れがなければ努力はできないものです。」
 「「だったら、こうしてみたら」をキーワードに。0から1を生み出す仕事をするためにはどんな人が必要かというと、頭がいい人でも高学歴の人でもありません。「やったことのないことをやりたがる人」「あきらめない人」です。「工夫をする人」です。」
 「成功するための秘訣は、成功するまでやることです。努力を一方からするだけではなく、失敗したら努力の方向を変え手を替え品を替えてさまざまな取り組みをすることがとても大切だ。」
 細切れでいくつか言葉を御紹介しました。さあ、今日から始まる第2学期に自分はどういう気持ちで取り組むことにするか各自で考えてください。自分の秘めたる資質を伸ばすためには、先ず、学期初めの自分の気持ちを整えてください。そして、何事も先生方からの指示を待つのではなく自分から先に踏み出してみよう。