平成29年度 第1学期始業式 校長式辞

校長先生

 4月を迎え、通学途上などでモクレンの大きな花や鮮やかな海棠やレンギョウの花が目につくようになりました。例年ですと桜と桃も咲きはじめ百花繚乱ともいえそうな色鮮やかな風景となるところですが、今年は、例年よりも寒さが続いているのか、桜の便りが少し遅れているように思えます。
 半月余りの春季休業は、瞬く間に終え新学期を迎えることになりました。この間どのように過ごしたでしょうか。先日の第3学期末の終業式では、我が国の国際的な存在感の低下、将来の仕事の在り方の変化、少子化問題を背景に高校生の一般的な現状と言われる状況を自らの意思で変えていくべきことをお話ししました。そこでまず、目標を持つことを本気で考え、その目標の実現のための手立てとして質の高い学びに意欲的に取り組むことを望みました。限られた期間ではありましたが、目標を持つことについて、少しは考えてみましたでしょうか。
 これまでも何回かお話ししてきたことですが、目指すものがなければ頑張りようがありませんし、日々の生活も一貫性がなくなり周りの雰囲気に流されるがままの生活になってしまいます。いたずらに時間だけが経過し精神的にも肉体的にも何らの向上もなく3年間が過ぎてしまいます。そこで待ち受けるものは、行き場のない無残な現実で、何のために高等学校に進学したのかそのころには思い起こしようもないでしょう。このままでは、自分でも気が付いていない秘めたる資質や能力は埋もれたままで終わります。
 新年度を迎えて既に5日を迎えましたが、本年度の目標を是非確認してください。順番として、先ず、10年後、26~27歳頃、30歳よりも少し前頃、どんな人生を送っていたいのか考えてみましょう。大学に進学した人は卒業して5年程度過ぎ、就職3年後の危機を乗り越え給料も増え仕事も面白くなり始めるころでしょう。短大や専門学校へ行った人や高校卒業後すぐに就職した人は、少しずつ責任を伴う仕事が任されるようになっているでしょう。このような人生を送るためには、高校卒業までに何をしておかなければならないのか、さらには今年度何をしなければならないのか。遡って考えることで10年後の目標、2~3年度の目標、今年度の目標を絞り込んでいくことができます。それぞれの目標が一つずつとも限らず、複数あってもいいでしょう。勉強では…、部活では…、趣味の世界では…、将来の仕事では…、など人により様々でしょうが自分の目標を自分でしっかり考えてください。誰かに教えてもらうことはできず、自分で考え出すしかありません。そのうちにと思っていると1年が過ぎてしまいます。
 この目標が、目指す人生を描く設計図だとすると、基礎に相当する部分が基本的生活習慣の確立でしょう。挨拶をする、服装を正す、食事を定時に取る、時間や約束事を守る、毎日規則正しい生活を送るなどを実践することです。一つ一つを見ればどれも当然のことですが、強い意思がなければすべてを毎日きちんとやり遂げることは困難が伴います。目標が意思を支えます。本校の登校指導や服装頭髪眉ピアス検査、交通指導、規律訓練などは、この基本的生活習慣を確立するための外側から支えです。生徒諸君が自分の力で自分をすべて律することができるようになれば、このような外側からの支援は必要なくなるでしょう。時間や約束事が守れない、服装や頭髪がだらしないなど緩んでいては、学習も部活動も集中できず知識・技能や判断力・表現力が身につかないでしょう。目標設定の次は、基礎固め、基本的生活習慣の確立です。
 一昨年度以来、学校では学力の向上を大きな目標に掲げて、日々の教育活動に取り組んでいますが、個々の生徒諸君に目標がなければ何のために勉強をするのか分からないでしょう。学校では個々の教育活動を通じて、3年間でその効果が表れてくるような指導と卒業後に必要な力をつけるための基礎となる指導の両方の実践を目指しています。しかし、何のための勉強するのか各自が意識して授業に望まないお限り、毎日の授業は面白くなくひたすら苦行となってしまい、何のために学校に来ているか分からなくなってしまいます。それではとても目標の達成など望むべきもありません。目標がない、頑張りが効かない、気持ちが緩んで勉強や部活動に身が入らない、何事にも意欲的に取り組むことができない、何のために学校に来ているかわからない、負の連鎖にはまり込んで無為な高校生活を送ることになってしまいます。目標を持ち足場を固め、目標達成のための学習や部活動に邁進し想い描いた人生に一歩でも近づくよう日々の生活に取り組んでください。最後は、本人がその気になるかどうかです。意識的に目標を持とうとするか、まあまだいいやと思ってしまうか、この第一歩でその後の方向性が決まってしまいます。
 限られた時間ではありますが大きな可能性を秘めた高校生活を是非充実した時間で送ってもらいたいものです。期待しています。