平成29年度 第3学期始業式 校長式辞

校長先生

 皆さんこんにちは。冬季休業は、間に年末年始を挟み期間も短いため、慌ただしく過ごした人が多かったかと思います。この限られた期間にも部活動に励んだ人、進路の目標実現のための準備に集中した人、家庭の事情等でアルバイトに取り組んだ人、意識して休養を取った人など、それぞれ目的を持って過ごせた人にとっては、有意義な冬季休業となったでしょう。
 終業式の日に、進学か就職かを問わず求められる学力の向上と、第2学期又は1年間の振り返りをすることの必要性についてお話ししました。そこでは、振り返りとそれに基づく今学期と今年の目標を明確に立てること、目標を立てる際に、進路や部活動など多様な目標の中に学力の向上に関する目標も必ず加えるようお話ししました。忙しい中でも、今学期や今年の目標を考えることができましたか。目標を決めた人は実現に向けて第1歩を踏み出してください。目標を見定めることができなかった人は、一刻も早く考え絞り込んでください。目標もなく漫然と過ごす日が長引くほど、人生の貴重な時間を無駄に費やすことになるでしょう。これほど勿体ない話はありません。
 冬季休業直前に読んだ本を紹介します。『逆境の中で咲く花は美しい』という書名で、著者は昭和大学医学部特任教授で横浜市北部病院消化器センター長の工藤進英氏です。著者の工藤氏は、1947年秋田県に生まれ、新潟大学医学部卒業後、大学病院の外科に勤務し、その後、秋田赤十字病院外科に赴任し外科部長を務めた後、現在の勤務先に移って今日に至っています。学校歴や途中の勤務先は必ずしも超一流といわれるものではありませんし、歩んできた道のりも決して平たんなものではありませんが、医師として磨き上げた大腸の粘膜に陥凹するがんの内視鏡治療の技術は絶対的な世界一となっています。NHKの「プロフェショナル仕事の流儀」に2度出演したことで、皆さんの中でも知っている人がいるかもしれません。この本の中には、頑張ろうとする気持ちを盛り上げてくれる話がちりばめられています。実践してきたことに裏付けられた言葉だからこそ説得力があります。その中から、いくつか拾い上げて見ると次のようなものがありました。
 「与えられた仕事より、自分がやりたい仕事を選ぶ。たとえそれが荊の道であっても」、外科医が内視鏡に関心を向けることは極めてまれで「異端」であった時代に、将来の内視鏡検査に目を向け、周りからは「とんでもない若造だ」とか「小生意気な奴だ」と疎まれながらも耐えて取り組んだこと。「出る杭が打たれるなら、打たれないほどに杭を突き出してしまえばいい」という項目では、吉田松陰の言葉を引用して「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし、故に、夢なき者に成功なし」と結んでいます。また「目的地を持たない限り、どんな風も順風にはならない」との話もあります。このほか本を読むことの必要性や、人生の多様な状況の中でそれぞれどのような姿勢で取り組むか等多くのことを自らの経験を基に語ってくれています。厳しい状況に置かれたとき、少し落ち込んだ時や目標を絞りきれないときなど気持ちがうつむき加減になった時、是非一読を進めます。気持ちが切替わり元気が出ます。勿論、今元気が出ている人にもお勧めです。背中をさらに押してくれるでしょう。
 第3学期は、3か月間とは言うものの実質的には2か月程度といってもいいほどです。3年生は、1か月もしないうちに家庭学習に入り、1、2年生も途中に高校入試や3年生の卒業式など大きな行事があるため、実質的な授業日は少なくなります。限られた期間ですがこの第3学期をこれまでの1年間のまとめをする時期であるとともに、来年度の第0学期・助走の時期と位置付けその準備を併せて進めてください。年の初めに立てた目標が達成できる充実した1年となるよう願っています。